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愛猫 - 澤田空海理

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作词 : 澤田 空海理 作曲 : 澤田 空海理 お外では雪解...
作词 : 澤田 空海理
作曲 : 澤田 空海理
お外では雪解けがはじまって、
これみよがしな暖かさは
毛布をしまうにはまだ早くて、
こたつを出るには遅すぎる冬。

暖冬だったね。今年は。
買わなくて済んだ冬服は、
実は買う口実がなくなって
少し悔しそうだ。

頭を撫でられた時のような
陽だまりの中にきっといた。

そぼろ状の会話は訥々と続いた。

どこにでも行ける軽やかさとか、
愛想の使い分け方。
しっぽで表せない不便さ含め、  
来世は私も猫がいい。
いい。 

そのうち私にも天国が見える。
あなたより先に見えてしまう。
寿命は心が決めるもの。
悲しまないでね。責めないでね。

身軽な私はどこへだって行ける。
ひとっ跳びで空をも飛べる。
走るのが人より遅くても、
地面を踏めている。

私の命日が、私の大切な人たちの
誕生日とかじゃないといい。そうしよう。
時雨が根雪をポツポツと溶かせば。

涼しげな目元の閉じ方とか、
距離感のはかり方とか、
よろこび方や、かなしみ方含め、
来世は私も猫がいい。
いいな。

言わなくてもわかることなんかさ、
あるわけないよ。ないんだよ。そんなものはさ。
キャットファイトに近い諍いは、
とてもじゃれ合いにはみえないな。
あなたが当たり前に生きていることが
どれだけ価値のあることか。

何一つドラマチックじゃなくて   
よくある話をしましょう。
わかりやすい言葉を。
向き合う努力をしよう。
猫にも伝わるように。

玄関を擦り抜けて
窓の外にしか見たことのない
実物の春に触れる。
本物の春に触れる。
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